出入国管理 及び難民認定法(入管法)では、日本人,永住者又は特別永住者の配偶者として、「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する外国人が、配偶者としての活動を継続して6月以上行わないで在留することは、在留資格の取消し自由に成りうるとされています。

 ただし、入管当局は在留資格取消を検討すると同時に在留資格変更許可申請などの機会を与えるよう配慮することとされています。この場合、在留資格「定住者」への変更が考えられます。また、日本人の実子を養育することを目的とした在留の場合も、在留資格「定住者」を申請することとなります。

基本的な要件(満たしている必要がある)

1.生計を営むに足りる資産または技能を有していること

2.日常生活に不自由のない程度の日本語の能力を有しており、通常の社会生活を営むことが困難ではないこと

 これは「日本語能力検定〇級以上」といった基準ではなく、自ら申請書に記載できることや、面談で意思の疎通が可能であることを指します。

3.公的義務を果たしていること、または履行が見込まれること

 公的義務とは、納税や各種届出を指します。

4.正常な婚姻関係・家庭生活を営んでいたこと

 仮に、別居していた時期があろうとも、夫婦としての相互扶助や交流が継続していたことが認められる場合は、これに該当します。

許可・不許可事例

 下記は法務省入国管理局(当時)が公表する在留資格「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」から「定住者」への在留資格変更許可が認めれられた事例及び認められなかった事例となります。

 なお、許可・不許可の判断は、法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長の裁量に委ねられ,当該外国人の行おうとする活動,在留の状況,在留の必要性等を総合的に勘案しておこなわれます。

許可事例

申請者性別:女性
本邦在留期間:約6年
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間:約6年6か月
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:日本人実子
特記事項:親権者は申請人。日本人実子の監護・養育実績あり。訪問介護員として一定の収入あり。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約5年1か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間: 約3年
死別・離婚の別:事実上の破綻
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:前配偶者による家庭内暴力が原因で婚姻関係が事実上破綻。離婚手続は具体的に執られていない状況にあったものの,現に別居し双方が離婚の意思を明確に示していた。看護助手として一定の収入あり。

申請者性別:男性
本邦在留期間:約13年8か月
前配偶者:特別永住者(女性)
前配偶者との婚姻期間:約6年1か月
死別・離婚の別:死別
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:金属溶接業経営を継続する必要あり。金属溶接業経営により一定の収入あり。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約8年1か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間:約4年5か月
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:日本人実子
特記事項:前配偶者による家庭内暴力が原因で離婚。前配偶者による家庭内暴力により外傷後ストレス障害を発症。親権者は申請人。日本人実子の監護・養育実績あり。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約10年5か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間:約11年5か月
死別・離婚の別:事実上の破綻
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:配偶者による家庭内暴力が原因で通算8年以上別居(同居期間は通算約2年)。配偶者が申請人との連絡を拒否。離婚手続を進めるため弁護士に相談。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約8年8か月
前配偶者:永住者(男性)
前配偶者との婚姻期間:約6年
死別・離婚の別:事実上の破綻
前配偶者との間の実子の有無:外国人(永住者)実子
特記事項:配偶者による家庭内暴力が原因で3年以上別居。子の親権に争いがあり離婚調停不成立,離婚訴訟準備中。

申請者性別:男性
本邦在留期間:約8年3か月
前配偶者:日本人(女性)
前配偶者との婚姻期間:約7年9か月
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:日本人実子
特記事項:日本人実子に対して毎月3万円の養育費の支払いを継続。会社員として一定の収入あり。親権者は前配偶者。

不許可事例

申請者性別:男性
本邦在留期間:約4年10か月
前配偶者:日本人(女性)
前配偶者との婚姻期間:約3年
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:日本人実子
特記事項:詐欺及び傷害の罪により有罪判決。親権者は前配偶者。

申請者性別:男性
本邦在留期間:約4年1か月
前配偶者:永住者(女性)
前配偶者との婚姻期間:約3年11か月
死別・離婚の別:事実上の破綻
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:単身で約1年9か月にわたり本邦外で滞在。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約4年1か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間:約3年10か月
死別・離婚の別:死亡
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:単身で約1年6か月にわたり本邦外で滞在。本邦在留中も前配偶者と別居し風俗店で稼働。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約3年4か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間: 約1年11か月
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てた2回目の離婚。初回の離婚時に前配偶者による家庭内暴力を受けていたとして保護を求めていたが,間もなく前配偶者と再婚。前配偶者との婚姻期間は離再婚を繰り返していた時期を含め約1年11か月。

申請者性別:女性
本邦在留期間:4か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間: 約3か月
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てて申請。婚姻同居期間は3か月未満。

申請者性別:女性
本邦在留期間:約3年3か月
前配偶者:日本人(男性)
前配偶者との婚姻期間: 約2年1か月
死別・離婚の別:離婚
前配偶者との間の実子の有無:
特記事項:前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てて申請。日本語学校に通うとして配偶者と別居したが,風俗店に在籍していたことが確認されたもの。婚姻の実体があったといえるのは,約1年3か月。

たかつか行政書士事務所への各種お問い合わせは、当ウェブサイト内コメントフォームより承ります。

投稿者: Takatsuka Office たかつか事務所

Yuichi is an Administrative Solicitor (“Gyoseishoshi Lawyer”) as well as a Registered Migration Agent. オーストラリアから帰国後、「街の身近な法律家×国際人」として地域の皆様の力になりたいとの思いより、JR南浦和駅近くに行政書士事務所を開いた高塚雄一です。

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